【七刄会演義 17/17】あとがき(Kindle完全版より:一部改変)
はじめまして、令和元年創業、猪股フィクションと申します。
本作を読み終えた方も、あとがきのあとに本作を読もうと思っている方も、ようこそいらっしゃいました。
本作のテーマは「医者のキャリアの正解とはなにか」です。
小説やマンガ、映画やドラマなどで医療を題材にした名作・良作は多数あり、かつそのほとんどが(現役)医師ではない作家によるものということに驚かされますが、私としては医者だからこそ書ける、医者が読んでも面白い、というのを追求し、本作を著した次第です。結果的にテーマとしては、大名作「白い巨塔」のフィールドの裾野にぶち当たってしまいましたが、寄らば大樹の陰と開き直っているところです。
さて、ツッコミどころを誰かにそうされる前に自己言及するのを「考察」と称します。以下、いくつか言明いたします。
この作品はフィクションです。どこからどこまでフィクションかという野暮な話はいたしませんし、事実との合致の有無やその是非を論じることにも関与いたしません。
「七州」という言葉や意味は、「東北」の言い換えを探してインターネットで検索した中で見つけたものですが、そこから派生した諸事項はオリジナル&フィクションです。これに関連して、「奥羽」の言葉を避けるようにしてあります。
本作設定では、
本作設定での大学医学部の数・種類・構成・設置地域・設立の経緯などは、特に実在の団体その他との関係は一切ありません。
「医学部定員増」とは、
各種医学系学会の認定制度で、「熟練医」というものは実在しませんが、本作ではいわゆる「三階建て」の外科系サブスペシャリティ技術認定医制度に相当するものとして扱っております。
本作設定上の大学部局としての「医学部」は、大学院重点化による改組で、「大学院医学系研究科」と言うべきものであり、また、「講座」という組織単位も「分野」と言うべきものですが、登場人物にとっては旧称(医学部、講座など)で呼ぶのが一般的ということで、表現が混在しております。
また、本作設定でも
これらについては、いずれも、作中冒頭およびこのあとがきで表明している「この作品はフィクションです」という言葉すべてで包含されているはずですが、繰り返しておきます。
また、本作では、私のこだわりと電子書籍ならではの仕様から、以下のような制限があります。
本作で扱われている医学的事項のいくつかは、症例報告された事例などで「起こりうる」ことを確認して、フィクションとして脚色した上で、扱ってあります。本作は医学論文のような医学的な事実や知見を発表・検証するものではないため、そういった医学的事項に関連する引用元を(学術論文のリファレンスのように)掲載してはおりません。ただし、そうすべきであるという理由が見つかった場合は、そういった引用を今後の改訂で追加するかもしれません。
本作では医者以外のセリフはないようにしてあります(院内放送を除く)。
医者の、医者による、医者のための業界エンタメ小説を志向した結果、医療小説でよくあるサスペンス、ミステリー、それからハートフルという成分は極力、排除されております(医者業界の内輪受けにとどまらず、広く読者に楽しんでいただければ幸いです)。
また、文章中の数字は、ことわざや熟語は漢数字で、それ以外はアラビア数字を用いていますが、不統一・不徹底がある場合は、ご容赦ください。
なお、私は縦書きの文章での数字の記述で、半角数字で寝かせて書くことや、全角数字を縦に並べること、それから漢数字で書くことが性に合わないので、仕方のない場合を除き、使える場合は縦中横で横置きにしています。ただ、4桁数字の縦中横はKindleでは非対応のため西暦表示ができません。そのため、苦肉の策で、平成表記の横に全角数字の西暦のルビを振ることにしました。Kindle書籍でも4桁数字の縦中横に対応する日を待っています。
あとは適宜、言い訳なり修正なり、反論したり、無視したりします。
電子出版の特性を最大限に活かし、修正や補筆なども逐次、行っていく予定です。
本作のKDP(Kindle Direct Publishing)リリースにかかる謝辞を述べさせていただきます。オープン・アクセス可能なこれらの善意に感謝申し上げます。
なにはさておき、こうして個人でも成果物を発信可能な、いわば、オープン・アクセプト・パプリッシング・プラットフォームを提供くださっているAmazon社に感謝申し上げます。
技術的な課題のクリアにあたっては、インターネット検索で得られたノウハウ、Kindle出版物などから知識や知恵を頂戴しました。
書籍データファイル作成には、ウェブサービス「でんでんコンバーター(https://conv.denshochan.com/)」に全面的にお世話になりました。
本作表紙の背景の北斗七星の画像写真は「photoAC(https://www.photo-ac.com)」より利用させていただきました。
作品やそれ以外の情報などは、公式サイト(https://inomatafiction.com)へおいでください。ご意見・ご感想・ご指摘などは、Twitterアカウント @inomatafiction (https://twitter.com/inomatafiction)宛にお話しくだされば幸いです。なお、プライベートを切り売りするようなことはいたしませんが、自分の作品を広く知ってもらうための活動は存分に行っていくつもりですので、「顔の出せる覆面作家」と認識いただければ幸いです。
最後になりますが、いやしくも作家(小説家)を名乗るものであれば、出版社など主催の公募型小説新人賞の受賞をもってそうするべきだと思いますが、私は、ある日突如として思いついた「令和元年創業」という取得時限付きの
というわけで、令和元年創業・顔の出せる覆面作家・猪股フィクション、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2019年8月
猪股フィクション
©INOMATA FICTION 2019-2020
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