エラーだらけのEvernoteから乗り換えるにはStockがよさそうの巻

2024年4月18日

作家・医者・バッタ──小説家標榜医の猪股フィクションです。

長年、執筆、医療それにプライベートに至るまで、パソコンでデータ化できるものはEvernoteを使って管理してきました。現在総ノート数は20000程度で、ノートブックは限界ギリギリ240くらいです。

ただそれも、もういつからか思い出せないくらいに長いのですが、このEvernoteが多種多様なエラーを起こすのに常々不満を抱えていました。すぐに書き連ねられるだけでも以下のようなものです(もっとあります)。

  • サイドバーにノートブックを表示できない
  • ノートブック内のノート数を間違って表示する
  • ノートやノートブックをエクスポートできない
  • ノートの印刷もままならない
  • できてたはずの機能が新たに設けられた有料プランに強奪されて使えない

現行バージョンのEvernoteになってからこうしたエラーが頻出するようになったようで、各種エラーの回避策として「Evernote Legacy」という旧バージョンのソフトウェア(アプリケーション)を使ってなんとか利用を継続してきました。ただ、このEvernote Legacyの存在は現行バージョン開発陣にとっては都合が悪いのでしょう、公式サイトではそのインストーラは非常に見つけづらいところに置かれていたりします。

※2024年4月追記:Evernote Legacyは公式に廃止されたため、もはやデータの同期はされません。

また、私は早いうちから最高額の有料プラン(Evernoteプレミアム)ユーザだったのに、ある日突然、それよりも高額なプランを新たに設け(従来の料金プランの新規利用は廃止とし)、従来有料プラン利用者に機能制限を設けたりといった仕打ちも受けて来ました。

早い話、Evernoteではもう有料サービスとしての対価に見合ったユーザ体験が得られないのです。

そのため、Evernoteでやっていたようなデータ管理ができる他のサービスを探してきたのですが、候補として挙げられるような「OneNote」や「Notion」は(それ自体は優れた用途があるとはいえ)、データ管理の使い勝手という点で代わりになるものとは思えませんでした。

結局、不満な自分をだましだまししながらEvernoteを使い続けてきましたが、今回、ようやくその十分な乗り換え候補となりそうなサービスとして、「Stock」に巡り合ったので、ご紹介します。

シンプルな情報ストックツール「Stock」

Stockは、「最もシンプルな情報ストックツール」としてリリースされています。

https://www.stock-app.info/

公式サイトからスクショした以下の利用画面を見れば一目瞭然、Evernoteでやっていたようなフォルダ階層ごとのデータ管理ができることがわかると思います。

画像は公式サイトより引用

画面左にサイドバーがあり、そこでデータがフォルダ(≒Evernoteのノートブック)で階層化され、各フォルダの内部には「カード」(≒Evernoteのノート)と呼ばれるデータがあり、画面右側のデータ本体部分に文章や画像、PDFファイルなどが置けるようになっているわけです。

Evernoteで現在取り扱っているノート・ノートブックのStockへのインポートも非常に簡単です。ブラウザでStockにアクセスし、そこでEvernoteに連携させた上で、指定したノートブックごとインポートさせるだけです(ただし、データ量に応じて結構時間がかかる)。

もちろん細かい点ではEvernoteとは異なるものの、Stockは他の類似アプリケーションと違ってレイアウトが大きく崩れるとか、添付していたPDFが見られなくなるという不具合もなく、個人的には十分にEvernoteからの乗り換え先になると確信できています。

有料プランへの切り替え

アカウント作成後30日間は無料で(おそらく)全機能が使えます。

その無料期間が終了すると、機能が制限されたフリープランに移行するか、高機能を維持したままの有料プランに移行するかを選択することになります。

  • フリープラン……0円
  • ビジネスプラン……年額6000円(月あたり500円)、月額だと600円(年7200円)
  • エンタープライズプラン……年額12000円、月額だと1200円(年14400円)

私はすでにこの無料期間中に大量のノートをStockに移行してしまっているので、無料期間終了後は最低でもビジネスプランをサブスクするでしょうし、それに納得できるような使い心地だと思っています。

金額面ではEvernoteのそれと大差なさそうですが、そもそものEvernoteからの乗り換えの理由は値段うんぬんではなく、それではとうてい納得できないようなエラーの頻出に悩まされるということであったため、私にはよい乗り換え先であると感じております。

もちろん、EvernoteにもStockにもサブスクしつづけるというのは愚の骨頂のため、いずれはStockへの完全移行を考えたいところです。

モバイルデバイスでも満足な使用感

さて、このStockはまずMacで使い始めましたが、他にiPhoneやiPad、ChromebookやFireタブレット(でなぜか利用しているGooglePlay経由のアプリ)でも問題なく利用できています

特にChromebookのようなマシンスペックの低い端末ではEvernoteは実質使用困難と言っていいほどに使い勝手が悪いのですが、このStockだとちゃんと動くし、ちゃんとデータが同期されるので安心して使えます。

つくづく、Evernoteは安心して利用できないサービスに成り下がってしまったものだなあとため息が出ます。

しばらくは両面展開で様子見

ということで、ある程度触ってみた範囲ではほとんど問題なさそうな「Stock」ですが、しばらく使ってから改めて評価を固めたいと思います(無料の30日間で)。

私がEvernoteで感じるエラーが、作成したノート数が多すぎるせいかもしれないので、いませっせとEvernoteからノートブック/ノートをStock側にインポートし、かつEvernote側で削除し、Evernoteの抱えているノート(データ)量を減らしてみているところです。

しかしながら、Evernote側から数千のノートを削除しても特にエラーが減るといった効果は目に見えて現れていません。逆にそれで効果が現れたとしても、もはやEvernoteの限界を超えていたということで、もう戻れる余地がないということでもあるのですが……。

Evernoteは有料プランで従来に比べて高額な金銭を徴収するのであれば、スムーズに切り替えやすい第2アカウントの利用権限を提供すべきでしょうが、現行バージョンのEvernote開発陣にはそうしたユーザの使い勝手を推し量るといった期待を求めるのはムリでしょう。

現状でも複数のユーザアカウントの作成はできるものの、それに連携機能が追いついておらず、結果的には満足な使い勝手は得られていない。

しばらくはEvernoteは旧データの管理で、新規データはStockで管理してみたいと思います。

https://www.stock-app.info/

いずれまた、そうした環境でわかったこともブログにまとめたいと思います。

追記(20240124)

その後の使用感をまとめたので、こちらもぜひご覧ください!