プログラミングの素人がChatGPTを活用して念願のブラウザゲームの作成に成功した件
作家、医者、バッタ──小説家標榜医の猪股フィクションです。
医者のキャリアと出世のカラクリをテーマにした画期的医療小説「七刄会演義」を発信中です。
さて、「職業人の出世の機微と機序」──なぜ出世するのか、どう出世するのか──を創作のテーマとして追求している私が、以前からこのテーマに意外な親和性を見いだしている物がありました。
それは、「2048」というパズルゲームです。
2048に感じる職業人の出世ダイナミズム
これは、4×4のグリッドにランダムに表示される2のべき乗の数値タイルを同じ者同士を融合させて、より大きな数値(2048が最初の目標)という、いたって単純明快なものですが、結構ハマります。
この徐々に大きくなっていく数値タイルが、なぜか私には、職業人の出世ダイナミズムが重なって見えてしまったのです。
この「2048」は開発者がオープンコードにしていることもあって、アプリ等にも多数の派生作品がリリースされていますが、不思議と、職業人の肩書きがそれになぞらえているものは見られませんでした。
ないならば自分で作ればいい──と思ってはいたものの、プログラミングの経験ゼロのズブの素人とあっては、なにから手を付けていいかすらわからず、アイディアだけがあたたまる日々でした。
目的を達成する上で、自分の不足するものがわかっているひとは、Google検索を繰り返すことである程度はゴールに近づけるものでしょうが、わたしはもう本当に、なにをどうしたらいいか全くわからないところがスタートなので、自分のニーズすら言葉にしてGoogle検索をかけることができなかったわけです。
そこに登場したのが、ChatGPTというチャットボット型の人工知能でした。
ChatGPTでブラウザゲームが作れる!?
ChatGPTの有用性はすでに皆さんも御存知でしょうが、Webその他にある知識を集合的に活用できるサービスです。
もちろんこれから発展していく技術分野でしょうから、現時点ではその質疑応答も玉石混交と言ったところが本当でしょう。
ですが、私も二度三度使ってみた印象としては、どんな答えを返してくるかはさておき、素人がバカな質問をしても怒られないことに無限の可能性があると考えました。
そして、実例としてChatGPTを利用してブラウザゲームが作れた、という報告もSNSにあがってくるようになりました。
これはチャンスだろうと、トライしてみることにしました。
ChatGPTに恥も外聞もなく質問しまくる
そこで、ChatGPTに単刀直入に、「2048というパズルゲームの数値タイルを任意の文字列に置き換えたい」という質問をしてみました。
すると、2048というゲームはオープンコードで提供されていることや、内部のHTMLやCSSを書き換えることで目的が達成できそうなこと、を教えてくれました。
私は前述の通り、プログラミングの知識はゼロなのですが、ブログ運営で必要になって、ちょっとだけ独学でHTMLやCSSはかじったことがあるため、それならもしかしたらやれるかも、と思うに至りました。
そこからは、実際に自分の手を動かして試行錯誤しまくることになりました。質問して、答えられた内容を試してみる。
うまくいかなければ、うまくいかないとそのまま伝えて、別の方法を伝授してもらう。
そもそもの回答内容が理解できなければ、「もっと初心者にもわかるように教えてください」として聞き直せるのです。プロの人にはためらわれるような質問をしても怒られません。
もちろんというか、ChatGPTだけでガラガラポンで答えが出るわけではありません。
テキトーにHTMLやCSSファイルをいじって、どうなるかを試してみたり……。
気づけば、途中からはChatGPTに質問することもなく、適宜Google検索しつつ、だんだんと形になっていくのを実感していました。
念願のブラウザゲームが完成した!
そうして数日間取り組んでみた結果、ついにほとんど思い通りのゲームが完成しました!
こちらは別ページで公開中ですので、ぜひ御覧ください。
しかし、今回の経験は、それこそGoogle検索が登場して、我々の生活を一変させてしまたことと同様のインパクトがあるように思われました。
私のような素人でも、やりようによってはブラウザゲームが作れてしまうわけですから。
かといって、巷で騒がれているような「AIに仕事が奪われる」みたいなことは、案外起こらないのではないかとも思いました。
なぜなら、ChatGPTにアシストしてもらっても、自分でやるのはやっぱり面倒だからです。
私はそれがもともとやりたかったことなので楽しんでやれましたが、じゃあ、これをたとえば会社員が上司に「AIを使ってこの業務を新しくやってみてくれ」などと命令されてうまくやれるかというと、そうではないでしょう。かえって混乱と疲弊を招くことになりそうです。
むしろ、今回のプロセスを通じて痛感したのは「餅は餅屋」ということです。
というのも、ChatGPTがはじき出した「提案」が最適解なのかどうかは、その道のプロでないと即座に判断できないからです。プロでなければ、それを試してみる時間と労力が必要になりますし、その時間と労力があるなら、とっとと外注すべきでしょう。ビジネスベースでは心もとないというのがホンネです。
一方で、その外注先では今後、ChatGPTなどのAI技術を駆使してより自分たちの業務を効率化していき、発注元の満足度を上がっていく、ということの方がありうべき未来予想図のように思いました。
ま、これからさらに今は予想もつかないような技術的進化を遂げるかもしれませんが、今のところはせいぜい苦手意識を持つことなく、ChatGPTの利用を気軽に、趣味や実益を兼ねて楽しんでみると良さそうです。
以上です。